
前回はヒューマンサービス職におけるバーンアウトについてお話を進めました。
ここではバーンアウトの原因とバーンアウトは予測できるのかについて見ていきます。
バーンアウトの原因
- 個人要因
- 「ひたむきな」性格や神経症傾向を持つ人ほどバーンアウトしやすい。
- 年齢要因(若い人ほどバーンアウトしやすい)。
- 環境要因
- 過重労働(長時間労働・過剰な業務負担)。
- 自律性の欠如(職場で裁量権が少ないとストレスが大きくなる)。
- 役割ストレス(期待される役割が不明確・矛盾する要求が多い)。
- 感情労働(サービスを提供する際に感情を抑制する必要がある)。
1. ビッグファイブ分析でバーンアウトしやすい人を予測できるのか?
◾️ 可能であると考えられるが、完全に予測できるわけではない。
◾️ 特に「神経症傾向」「誠実性」「調和性」が高い人は要注意。
◾️ 「外向性」が高い人はバーンアウトしにくい傾向がある。
2. ビッグファイブ分析を活用したバーンアウト予防策
- 神経症傾向が高い人
- 対策: ストレス管理トレーニング(マインドフルネス、心理的回復法)。
- 職場での工夫: 過度なプレッシャーを与えない、サポート体制を強化。
- 誠実性が高い人
- 対策: 完璧主義を和らげる指導、タスク管理の簡素化。
- 職場での工夫: 明確な業務範囲の設定、適切な評価基準の導入。
- 調和性が高い人
- 対策: 「ノー」と言うスキルの習得、感情労働の軽減。
- 職場での工夫: クライエントとの適切な距離感を保つトレーニング。
- 外向性が低い人
- 対策: 同僚やサポートグループとの交流を増やす。
- 職場での工夫: チームでのコミュニケーション機会を増やす。
3. まとめ
◎ ビッグファイブの性格特性から、バーンアウトしやすい人を見極めることは可能。
◎ 特に「神経症傾向(高)」「誠実性(高)」「調和性(高)」の人はバーンアウトリスクが高い。
◎ 「外向性(高)」の人はバーンアウトに強い傾向がある。
◎ ビッグファイブ分析を活用して、職場のストレス対策や適切な業務配置を行うことが有効。
この内容は、実証研究(Mills & Huebner, 1998; Bakker et al., 2006; Swider & Zimmerman, 2010 など)に基づいています。
若い人ほどバーンアウトしやすい理由
(学術的研究とビッグファイブの視点から考察)
- 職務経験の不足
- 若手社員は業務経験が少なく、
ストレス対処能力(コーピングスキル)が未熟である。 - 役割の不明確さ(Role Ambiguity) に適応するスキルが未発達。
- (参考研究:Cordes & Dougherty, 1993) → 若手ほど仕事への理想が高く、
現実とのギャップによるストレスが大きい。
- 若手社員は業務経験が少なく、
- 自己効力感の低さ
- 自己効力感(Self-efficacy) が低いため、「自分にはこの仕事ができないのでは?」という不安を抱きやすい(Bandura, 1977)。
- (参考研究:Bakker et al., 2006) → 若手社員ほど、成功体験の不足から自己効力感が低くなりやすい。
- 過大な期待と理想のギャップ
- 若手社員は「理想のキャリア」と「現実の仕事環境」のギャップを感じやすい。
- 「完璧にやらなければならない」 というプレッシャーを感じやすい(Hill & Curran, 2016)。
ビッグファイブ分析から考える若手のバーンアウト傾向
若手ほどバーンアウトしやすい理由を、
ビッグファイブの観点 から整理すると、以下のように説明できる。
ビッグファイブ特性 | 若手に多い傾向 | バーンアウトへの影響 |
---|---|---|
神経症傾向(Neuroticism)⬆ | ストレス耐性が低い | ストレスを強く感じ、情緒的消耗感が高まりやすい |
誠実性(Conscientiousness)⬆ | 完璧主義、努力家 | 責任感が強く仕事を抱え込みやすい |
調和性(Agreeableness)⬆ | 他者に気を使う | 「ノー」と言えず、感情労働を多く抱えやすい |
外向性(Extraversion)⬇ | 内向的な傾向 | 人との交流が少なく、ストレスを発散しにくい |
開放性(Openness)⬆ | 新しいことに敏感 | 変化に適応しやすいが、理想が高すぎる と現実とのギャップを感じやすい |
➡ 特に「神経症傾向が高い」「誠実性が高い」「調和性が高い」若手は、
バーンアウトリスクが高い。
役割ストレスの軽減:ビッグファイブ分析+TOiTOiの活用
役割ストレス(Role Stress) は、職場での期待が不明確だったり、矛盾した要求が多いと発生しやすい。
【解決策】
- ビッグファイブ分析 を活用し、適性に合った業務をアサインする。
- 例)「誠実性が高く、慎重な人」はルーチンワークに適し、
- 「開放性が高い人」は新規プロジェクト向き。
- TOiTOiの活用 により、個人のロジック・ブレイン(LB3)を考慮して、適材適所の配置を行う。
- 「理性タイプ(黄色)」 → 安定した業務や人との信頼関係を重視する仕事。
- 「比較タイプ(青色)」 → ルールが明確な業務やデータ分析などの仕事。
- 「感性タイプ(赤色)」 → クリエイティブな業務や新しいチャレンジが求められる仕事。
➡ 役割ストレスの軽減により、バーンアウトリスクを下げることが可能!
感情労働のストレス軽減:1on1の活用
感情労働(Emotional Labor) とは、顧客や同僚との関係で「感情を抑えなければならない」仕事のこと。
【解決策】
◉ 1on1ミーティングの導入
- ストレスの早期発見
- 感情の発散(Emotional Venting) の機会を増やす
- サポートを感じることで**「社会的サポート(Social Support)」** が強化される(Maslach & Leiter, 2016)
◉ カウンセリングやコーチングの提供
- ビッグファイブ分析 で、神経症傾向が高い人ほど「感情労働の影響を受けやすい」と分かるため、定期的なフォローを強化 する。
➡ 「感情を抑え続けることの負担」を軽減することで、バーンアウトを防ぐことができる!
【総合的な考え】
- 若い人がバーンアウトしやすいのは、ストレス対処能力の未熟さ・自己効力感の低さ・過大な期待によるもの。
- ビッグファイブ分析では「神経症傾向が高い」「誠実性が高い」「調和性が高い」若手ほどバーンアウトしやすい傾向がある。
- 役割ストレスは、ビッグファイブ+TOiTOi分析で適材適所に人を配置することで軽減できる。
- 感情労働のストレスは、1on1の導入やカウンセリングによって軽減可能。
➡ 「ビッグファイブ分析」「TOiTOi」「1on1」を活用することで、
職場のストレスを軽減し、バーンアウトを防ぐことができる!
バーンアウトになりやすい人をはビッグファイ分析で予測可能です。
予測可能であるということは、バーンアウトしやすい人財の精神面のサポートができ、
ウェルビーングな組織構築が可能となります。
バーンアウトは心がダメージを受けてしまいます。
心理的なダメージは回復に時間がかかります。
最悪の場合は回復しない場合もあります。
そんなことは絶対にあってはならないことです。
特に若い人がバーンアウトになりやすいということがわかっています。
若い人財には未来を担ってもらう必要があります。
その芽を摘み取ることはなんとしても避けなければなりません。
若い人が育つように見守るための環境構築が必要です。
まずはバーンアウトしない環境構築をしていくことです。
バーンアウトしやすい人は予測できます。
バーンアウトだけへの対策ではありません。
大切な人財が楽しく働ける環境構築をしながら、
メンタル面をサポートできる施策を取ることで、
人財を守ることが可能です。
人財を守ることは、企業の成長停止を防ぎ、長い目で見た時、
ブランド価値が下がることも防ぎます。
また、生産性が下がることを防ぎ、利益の圧迫も防ぎます。
働くことが楽しい環境構築は、企業や働く側にとって、
Win-Winの関係構築や信頼関係構築の土台となります。
あなたの会社は働くことが楽しい会社だと言えますか。
最後までご覧いただきありがとうございます。
※TOiTOiは、Team Organaization Inventory・組織編成分析の略語で、組織の適材適所を科学的に分析し、
最適なチームをつくるツールです。
TOiTOiの由来はドイツ語で「幸運のおまじない」を意味するtoitoitoi、
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参考資料
東京 : 労働政策研究・研修機構.久保 真人 .2007-01.『バーンアウト(燃え尽き症候群)–ヒューマンサービス職のストレス(特集 仕事の中の幸福)』, 2024年3月1日アクセス. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I8636019
バーンアウトとビッグファイブ3へつづく