
前回はロジック・ブレインの3分類とクレッチーマーの3気質についてお話をしました。
ここではロジック・ブレインの3分類とビッグファイブの活かし方についてお話を進めていきます。
独立したモデル
3分類(ロジック・ブレイン)とビッグファイブを別々に扱うモデルとしたら、
このモデルでは、「思考のスタイル(先天的気質)」と「行動の傾向(後天的性格)」を別々に捉え、
それぞれが異なる側面で個性を表現すると考えます。
■ 3分類(ロジック・ブレイン)
- 理性タイプ(黄色 / Type 3):平和主義者。秩序やルールを重んじ、調和を大切にする。
- 比較タイプ(青色 / Type 2):マイペース派。自分のペースを守り、慎重に行動する。
- 感性タイプ(赤色 / Type 1):冒険家。直感を信じ、新しいことに挑戦する。
■ ビッグファイブ(後天的性格)
- 外向性(Extraversion):社交的で活動的な性格か、内向的で一人を好むか。
- 協調性(Agreeableness):他者と協力するか、自分の意見を優先するか。
- 誠実性(Conscientiousness):計画的で真面目か、柔軟で気分に左右されるか。
- 開放性(Openness):新しい経験やアイデアを好むか、現実的で保守的か。
- 神経症的傾向(Neuroticism):ストレスや不安に敏感か、精神的に安定しているか。
■ 3分類とビッグファイブの関係
このモデルでは、「ロジック・ブレインは思考の方向性」を決め、
「ビッグファイブは行動の表れ方」を決めると考えます。
3分類(ロジック・ブレイン) | ビッグファイブ特性(性格) | 行動の違い |
---|---|---|
理性タイプ(平和主義者) | 外向性が高い | グループの調整役を担う。誰とでも円滑にコミュニケーションを取る。 |
理性タイプ | 神経症的傾向が高い | ルールを細かく気にし、責任感が強いがストレスを感じやすい。 |
比較タイプ(マイペース派) | 誠実性が高い | 計画的にコツコツと努力を積み重ねる。 |
比較タイプ | 開放性が高い | 独自のアイデアを大切にし、慎重に新しいことへ挑戦する。 |
感性タイプ(冒険家) | 外向性が高い | 新しいことに果敢に挑戦し、人との交流を楽しむ。 |
感性タイプ | 協調性が低い | 自分のやりたいことを優先し、独立志向が強い。 |
■ 活用方法
- 教育:3分類で学習スタイルを決め、ビッグファイブで最適な指導法を選択
- ビジネス:3分類で適職を決め、ビッグファイブで働き方を調整
- 福祉:3分類で支援の方向性を決め、ビッグファイブで具体策をカスタマイズ
このモデルでは、
「思考のスタイルと行動の傾向を分けて考えることで、個性の多様性を深く理解する」ことが可能になります。
関連づけたモデル
3分類(ロジック・ブレイン)がビッグファイブの表れ方を決めるモデルとする場合、
このモデルでは、「3分類の気質が、ビッグファイブのどの特性を強調するか」を決定すると考えます。
■ 3分類ごとのビッグファイブの特性
3分類(ロジック・ブレイン) | 関連するビッグファイブ特性 | 性格や行動の傾向 |
---|---|---|
理性タイプ(Type 3) | 協調性・誠実性が高い | みんなのためにルールを守り、チームワークを大切にする。 |
比較タイプ(Type 2) | 誠実性・神経症的傾向が高い | 慎重で、計画的に行動するが、変化に対して警戒心が強い。 |
感性タイプ(Type 1) | 外向性・開放性が高い | 新しい挑戦を楽しみ、直感的な行動を取る。 |
■ 具体的な例
例えば、「理性タイプ」の人は一般的に協調性や誠実性が高いですが、
その中でも「外向性が高い人」はチームの中心になり、
「内向性が高い人」はサポート役に回ることが多くなります。
3分類(気質) | ビッグファイブ特性(性格) | 行動のパターン |
---|---|---|
理性タイプ(Type 3) | 外向性が高い | リーダーシップを発揮し、チームの調整役として活躍。 |
理性タイプ(Type 3) | 内向性が高い | 組織の裏方として安定した運営をサポート。 |
比較タイプ(Type 2) | 誠実性が高い | 計画的で責任感が強く、慎重に行動する。 |
比較タイプ(Type 2) | 開放性が高い | 新しいことを試しつつも、失敗しないよう慎重に進める。 |
感性タイプ(Type 1) | 外向性が高い | 直感で行動し、新しいチャレンジをどんどん試す。 |
感性タイプ(Type 1) | 協調性が低い | 独立志向が強く、自分のペースを大切にする。 |
■ 活用方法
- 教育:気質に基づいて学習スタイルを予測し、ビッグファイブで個別指導を最適化。
- ビジネス:気質に応じた職種適性を判断し、性格特性に基づいて働き方をカスタマイズ。
- 福祉:気質に合わせた支援方針を決め、性格特性に応じた個別対応を強化。
このモデルでは、「気質が性格の表れ方を決める」という考え方を活用し、個性を活かす戦略を立てやすくなります。
どちらのモデルが適しているか?
✅ 独立したモデル
→ 「多様な個性を広く理解したい」場合に適している。
(例:教育、キャリア支援、自己理解)
✅ 関連づけたモデル
→ 「個性のパターンを分析し、適性を明確化したい」場合に適している。
(例:職場での人材配置、マーケティング、心理療法)
どちらのモデルも、目的に応じて使い分けることで、
人の強みを最大限に活かすことができます!
3分類(理性・比較・感性)
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あなたの“思考と感情のパターン”は科学で解明できる!
20代から60代までの1000名を対象に行った調査データから、
AI解析による革新的なパーソナリティ分類モデルが誕生しました。
PLSA(確率潜在意味解析)による3つのクラスター分類と、
ロジックブレインによる本質的な3分類が高い一致率を示し、
性格と気質の深層分析が可能に。
上記のデータやクレッチマーの気質類型論をヒントにして、
ロジック・ブレインの3分類は確立されています。
3分類とビッグファイブを可視化・言語化
ロジック・ブレインが導き出した気質(変わりにくいパーソナリティ)を色分けしています。
気質の3分類の解説です。
1.理性タイプ(黄色):みんなで仲良く平和主義者- Type 3
理性タイプの人は、みんなが仲良く、争わずに過ごせることを大切にします。
モノやサービスを選ぶときは、「これは良いことなのか、悪いことなのか」と考えたり、
「みんなにとっていい選択か」を優先します。
安全なもの、きちんとしたルールや考え方が好きなタイプです。
2.比較タイプ(青色):自分のペースでマイペース派- Type 2
比較タイプの人は、「自分らしく、自分の時間を大切にしたい」と思っています。
モノやサービスを選ぶときは、「これが自分に必要かどうか」を考えて決めます。
タイミングや自分のペースを大事にする慎重派のタイプです。
3.感性タイプ(赤色):チャレンジ大好き冒険家 – Type 1
感性タイプの人は、キラキラ輝いて成功したい!といつも元気に考えています。
モノやサービスを選ぶときは、「これが好きかどうか」「ワクワクするか」を基準にします。
感覚や直感を大切にするチャレンジ精神あふれるタイプです。
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上記のシートが3分類のシートのサンプルです。
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上記がビッグファイブ分析のサンプルです。
個人の特性や個性、環境的要因による性格分析した結果をシートで出力し、
見える化・言語化しています。
上記のシートを利用して、個人の個性や特性より、
例えば、顧客対応がいいのか、バックヤードで活躍するのかなどを分析し、
最適な適材適所への配置の材料としても利用します。
ここでお話を進めてきた独立・関連したモデルによる、
3分類(ロジック・ブレイン)とビッグファイブの組み合わせは、
あくまで一例であり、可能性のひとつです。
3. 実際の活用において、どう考えるべきか?
✅ 可能性のある組み合わせの一例として考える
- 3分類とビッグファイブの関係は、完全に一致するものではなく、
一つの参考指標として扱うのが適切。 - 例:「理性タイプの人は協調性が高い傾向があるが、環境によって変化することもある」
✅ 実際の個人の特徴を重視する
- 3分類のタイプが同じでも、
ビッグファイブのスコアが異なれば、行動パターンも異なる。 - 個々の性格を柔軟に理解し、組み合わせの可能性を考慮する方が実践的。
✅ フレームワークを固定的に使わず、補助ツールとして活用
- 「この3分類の人は、必ずこのビッグファイブ特性を持つ」と断定するのではなく、
個人の傾向を探るための補助ツールとして活用するのが望ましい。
4. 結論
- 3分類(ロジック・ブレイン)とビッグファイブの組み合わせは、「必ずこの関係になる」という固定的なものではなく、
あくまで一例として捉える方が現実的。 - 「独立したモデル」も「関連づけたモデル」も、どちらも参考として活用するのが最適。
- 「このタイプはこういう傾向がある可能性が高い」という仮説的な活用方法が適切」。
5. 実際に活用する際のガイドライン
- 3分類とビッグファイブを「完全に一致するもの」と考えない。
- 3分類は思考の方向性、ビッグファイブは行動の表れ方として、組み合わせを柔軟に見る。
- 個々の性格の違いを尊重し、環境要因も考慮する。
- 実際の行動や特性を観察しながら、適切な活用方法を探る。
💡 最後に
「この3分類の人はこのビッグファイブの特性を持つ」と断定するのではなく、
可能性のひとつとして活用するのが適切です。
どの特性も人によって異なるため、
個々の違いを尊重しながら活用することが最も実践的なアプローチとなります。
上記の分析を可能にし、組織の状態を見えるかするのが、
クラウドマネジメントツール「TOiTOi」です。
TOiTOiはメンバーの3分類とビッグファイブ分析が可能です。
また分析結果を利用して組織分析をします。
組織分析は他社のHRのツールにはないロジック・ブレインのオリジナルの分析です。
組織の生産性が数値化されます。この数値が組織の売上の数値に連動します。
また組織の状態を言語化し、チームの最適なマネジメント方法も一目でわかります。
誰をリーダーにすればいいのか、事業承継を考える際のシュミレーションにも利用可能です。
分析を1on1に活かすことで、心理的安全性の構築や、組織活性化、離職を減少させることでは、
かなりの実績を出しています。
ここまでお伝えしてきた内容が、
あなたの組織やチームの人財の課題解決のヒント、
サポートにつながれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
参考資料
日本パーソナリティ心理学会 (2003). 『3気質類型・複合構造モデルとパーソナリティのフラクタル性』, 2025年1月26日アクセス. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpjspp/2/1/2_KJ00001287004/_article/-char/ja/
日本パーソナリティ心理学会 (2003). 『TTIQ-性格検査の標準化. 3気質類型・複合構造モデルと5性格特性次元にもとづく質問紙法性格検査の作成』, 2025年1月26日アクセス. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpjspp/2/1/2_KJ00001287004/_article/-char/ja/