倹約家と浪費家とダークヒーローとお金

人は「私は浪費家?倹約家?」と聞かれたとき、
どう答えるの? そしてその答えにはどんな“性格”や“お金観”が関係してるの?
を科学的にガチ調査した研究があります。

今回はそんな研究調査からのお金の使い方と性格についてのお話です。

浪費家と倹約家を解析

登場キャラ紹介

  • 浪費家(spenders):お金があったら、今すぐ何か買いたい!人生、消費はエンタメ。
  • 倹約家(savers):お金は命より重い。貯金が心の安定剤。

…で、さらに「ケチ(tightwads)」と「浪費癖(spendthrifts)」の概念も加わる。
このへん、日本語だと“ドケチvsパーリーピーポー”対決みたいなもんです。

研究でやったこと

5つの独立した研究で、

「あなたは浪費家?それとも倹約家?」と自分で自己評価してもらいます。
その上で、
性格診断やダークサイド(ヤバめ性格)テスト
お金の価値観・知識
自己イメージ(自分イケてると思う?健康?賢い?など)
政治観・宗教観
までいろいろ測定しています。

つまり、「あなたの“お金の使い方”には、あなた自身のどんな特徴が反映されてるの?」
を徹底的に調べたわけです。

1. 「倹約家」はどんな人?

  • まじめ系・慎重系
     →「計画的、整理整頓、コツコツ型」の性格(ビッグファイブでいうConscientiousness誠実性)が高い。
  • 内向的&オープンさ低め
     →あんまり刺激好きじゃない。堅実で冒険しない。
  • お金=“安心感”と考えがち。
     →愛や自由じゃなく「守り」のイメージ強し。
  • 自分は“頭が良くて健康でイケてる”と思いがち。(自己評価高め)

2. 「浪費家」はどんな人?

  • 好奇心旺盛&社交的
     →刺激好き、明るくて新しいもの好き
  • ちょっと衝動的・計画苦手
     →「今が楽しけりゃいいじゃん!」タイプ
  • お金=“自由”や“愛”みたいに感じる傾向あり
  • ダークサイドあり…
     →心理学でいう“サイコパス傾向”強め。「ヤバいくらいお金パーッと使う人」もこの枠に多い
  • 政治的にはリベラル寄りが多い
     →自由主義的な考えが“浪費”につながってるのかも?

※ビッグファイブ分析とは:5つの性格因子によって環境的要因による性格を導き出す特性論の性格分析。

情緒不安定性高い:心や体に影響を受けやすい(ストレスを感じやすい)低い:心や体に影響を受けにくい(ストレスを感じにくい)
外向性高い:新しい出会いに積極的で
刺激を好む
低い:人見知りで思慮深い
開放性高い:創造力が豊か低い:保守的かつ安定を好む
調和性高い:争いや対立を避ける傾向がある低い:感動を重要視せずに
行動する傾向がある
誠実性高い:セルフコントロール能力に長けている低い:直観力や行動力が高い

倹約家はビッグファイブ分析(環境的要因による性格分析)では誠実性が高いというのは納得です。
内向的であるというのは外交性が低めなのかな。
自意識過剰タイプなのかなと考えてしまいます。

浪費家は、外交性が高く、開放性が高いのかもしれないですね。
衝動的・計画が苦手とあるので、誠実性が低いのかもなんて考えてしまいます。

お金の使い方も性格である程度見えてくるのが興味深いですね。

この研究では「性格」と「お金の使い方」の関係を多角的に深掘りしてまして、
ビッグファイブ(誠実性・外向性・神経症傾向など)のスコアと浪費・倹約との関係は今までも少し調べられてきたけど、
この論文は明確に「浪費家=どの性格特性?」「倹約家は?」と直接的に照合しており、
しかもダークサイド、「ダークトライアド(サイコパス・ナルシスト・マキャベリスト)」や
パーソナリティ障害の傾向まで分析しているのがユニークなんです。

また自己評価や自己肯定感まで含めて分析しているんです。
“倹約家ほど自己評価が高く、浪費家はリベラルで感情知能が高い”みたいな傾向をデータで明らかにしたのは新しい
「自分は賢い」「健康だ」「イケてる」などの自己評価や、「政治観・宗教観」まで絡めたデータを大規模に集めたのは過去研究にはなかった視点ですので、お金の使い方についての傾向が見えてくるわけです。

ダークトライアド×お金の使い方

「ダークサイド」って何なん?ということでそれについてお話を進めていきます。

【心理学のダークヒーローたち】

ダークサイド=人間の“性格悪い系3人衆”が主役!

  • マキャベリスト(Machiavellianism)
    計算高くて、人をコントロールするのが得意。「利用できるものは利用する」の達人。金は“道具”。
  • ナルシスト(Narcissism)
    自己愛が強くて「俺スゴイ」好き。目立ちたがりで“豪快な浪費”もいとわないタイプが多い。
  • サイコパス(Psychopathy)
    衝動的・無計画・他人への共感が少なめ。「今が楽しければいいじゃん!」な超ド級浪費型も多い。

最近ではサディズム(人にちょっかい出して楽しむ系)も入れて「ダークテトラッド」と呼ぶことも!

“ダークサイドとお金”の関係

【結果のざっくりまとめ】

浪費家(spenders)は「サイコパス」傾向が高い!
衝動的で計画性がない、「将来?知らん。今使っちゃえ!」という結果。

ナルシストは意外と関係薄めだった(自分のカッコ良さはお金に直結しない?)、
意外な結果。

マキャベリスト(計算高い系)はむしろ倹約家!
金は“人を動かすための武器”だから、簡単には使わない。
「損得勘定」で貯めておくのが得策と考えがち、マキャベリズム全開ですね。

◆サディズム(人にちょっかい出す系)は金遣いとは直接関係なかった。

お金の使い方でその人のダークサイドが垣間見えるって、
あなたの大切な人はどんなお金の使い方ですか。

なんでサイコパスは浪費家なの?

【サイコパス脳内実況】

  • 「あ~今これ買いたい!やばいテンション上がる!」
  • → 一瞬の快楽・衝動に超弱い
  • 「明日の自分が困る?それは“明日の自分”の問題」
  • 計画性ゼロ、反省もゼロ、ちょっとリスキーだけど、その場の満足が最優先

【マキャベリスト脳内実況】

  • 「ここで使ったら後が大変…温存して、いざという時に“切り札”として使うべき」
  • 「人を動かすには、現ナマ(キャッシュ)が最強」
  • お金は“投資”の手段。無駄遣いNG。

ビッグファイブの性格特性とダークサイドの相関

  • 誠実性が低い×サイコパス=浪費家
    計画苦手で衝動的
  • 外向性が高い×ナルシスト=豪快な使い方も
    ただし“自己演出”のためなら
  • マキャベリストは協調性低いけど誠実性高め
    計算ずくで金を使う

「性格悪い系」だけど、生き残りには必要!?

ダークトライアドは悪者扱いされがちだけど、

  • サイコパス的衝動性=“チャレンジ精神”にもなりうる
  • マキャベリスト的慎重さ=“リスクヘッジ”や“戦略的資産運用”にも
  • ナルシスト=“自己投資へのモチベーション”

なんて、“生き方の多様性”としても面白いポイントです。

まとめると、
浪費家サイコパス:「よっしゃ!今日はボーナスだ。全部使っちまおうぜ!」
倹約マキャベリスト:「おや、これは将来大事な一手になるやも知れん。ここは我慢、財布のヒモは固く締めて…」
ナルシスト:「ブランドものの新作が出た!これは“俺”を格上げするチャンス!」


お金の使い方でその人の性格の傾向がわかるってお話でした。

ダークサイドでも生き残る?ための、いや生き方には色々あるので、
選ぶのは個人の自由ですが、あなたはどの様にいきたいですか。

またあなたのお金の使い方はどんな使い方でしょうか。
私たちの中には潜在的に刷り込まれていると言っていいか分かりませんが、
潜在的な部分で環境に影響を受けています。
それがお金の使い方に現れるとしたら、
なぜ自分は貯金ができないんだろうとか、
浪費してしまうのかについて理解できるのではないでしょうか。

あなたのお金の使い方についての何かヒントになれば幸いです。