
前回は性格診断については、類型論と特性論があるというお話を進めました。
ここでは新潟大学福祉大学が行った調査の詳細についてみていきます。
研究の流れ
調査対象
- 新潟医療福祉大学の2年生 191名(男性91名、女性100名)
- 学科:健康スポーツ、理学療法、看護、言語聴覚、医療情報管理の5つです。
調査方法
- 色彩嗜好調査(10色から好きな色を順位づけ:赤、オレンジ、黄、黄緑、緑、青、紫、ピンク、茶、水色)
- 性格特性調査(16項目を5段階で評価し、アイゼンクの4気質に分類)
主な結果と傾向
● 嗜好色の順位(全体)
- 青(21.2%)
- 赤(16.0%)
- オレンジ(12.7%)
- 水色(9.9%)
- ピンク(8.9%)
● 性格特性分類(全体)
- 黒胆汁質:25.6%(内向・不安・真面目系)
- 胆汁質:24.4%(外向・情熱・短気系)
- 多血質:25.7%(社交的・陽気系)
- 粘液質:24.3%(穏やか・冷静・慎重系)
学科による傾向:
- 健康スポーツ・看護学科:多血質が多い
- 言語聴覚学科:黒胆汁質が多い(内気・不安傾向)
● 気質と色の好みの関係
- 黒胆汁質:青、水色など寒色系を好む
- 多血質:赤、ピンクなど暖色系を好む
- 粘液質:青、水色、緑などの落ち着いた色を好む傾向あり
● 色と性格特性の相関関係(抜粋)
- 赤:積極性(r=0.165)、社交性(r=0.194)と正の相関
- 黄:無口(r=-0.206)、おとなしい(r=-0.195)と負の相関
- 黄緑:注意深さ、リーダーシップと正の相関
- ピンク:陽気さと正の相関、不安・無口と負の相関
● 考察・教育的示唆
- 性格と色彩嗜好には確かに関連があることが示唆された。
- 特に、内向・不安傾向のある学生(言語聴覚学科など)には、個別支援が必要。
- 今後の教育において、情意(態度・社会性)を育成する取り組みが重要。
● 結論
この研究は、医療・福祉現場で求められる対人スキルや感性に色彩の好みと性格傾向が関係していることを示しており、
教育や臨床指導における新たな視点(色と性格の相関)を提供しています。
ビッグファイブで読み解くとどうなる?
参考までに、アイゼンクの4気質とビッグファイブの要素(OCEAN)をマッピングすると、
おおよそ以下のように捉えられます:
アイゼンク気質 | ビッグファイブの該当要素(推定) |
---|---|
黒胆汁質(Melancholic) | 神経症傾向↑、外向性↓ |
胆汁質(Choleric) | 外向性↑、協調性↓(短気傾向) |
多血質(Sanguine) | 外向性↑、開放性↑、神経症傾向↓ |
粘液質(Phlegmatic) | 協調性↑、誠実性↑、外向性↓ |
色嗜好とビッグファイブをどう結びつけられる?
たとえば、今回の研究結果から読み解くと
- 赤を好む人=「積極的・社交的」→ 外向性が高い
- 青・水色を好む人=「内向・不安傾向」→ 神経症傾向↑、外向性↓
- ピンクを好む人=「陽気」→ 外向性↑、神経症傾向↓
こうした傾向は、ビッグファイブとの対応関係にもある程度当てはまりそうです。
応用のヒント(ビッグファイブ×色彩嗜好)
今後、ビッグファイブと色彩嗜好の関連を分析するとしたら
- 外向性高い人→ 暖色系(赤、オレンジ、ピンク)
- 神経症傾向高い人→ 寒色系(青、水色、紫)
- 誠実性高い人→ 茶色、緑などナチュラル系
- 開放性高い人→ 黄緑、紫など変化球カラー
- 協調性高い人→ 淡い色、パステル系
もしこの内容をビッグファイブベースの診断やTOiTOiモデルに取り入れたいなら、
色嗜好を1つの見えやすい性格指標として活用するの、めちゃ面白いと思います!
STEP1:気質と色嗜好の関係(アイゼンク4気質 × 色彩)
◎ 色彩嗜好 × 4気質(研究&心理学ベースの解釈)
気質タイプ | 色の好み(傾向) | 解釈 |
---|---|---|
多血質 (Sanguine) | 赤、ピンク、オレンジなどの暖色系 | 外向性が高く、刺激や社交を求める。陽気な色に引かれる。 |
胆汁質 (Choleric) | 赤、黄色などの力強く明るい色 | 主張が強く、エネルギーに満ちた性格。情熱や行動力を示す色に好感。 |
黒胆汁質 (Melancholic) | 青、紫、水色などの寒色系 | 内向的・繊細・真面目。落ち着いた雰囲気・冷静な印象の色を好む。 |
粘液質 (Phlegmatic) | 緑、青、水色など自然・調和系 | おだやか・協調的・安定志向。安心感やバランスを感じさせる色に惹かれる。 |
★特に「寒色=冷静・内向」「暖色=社交・外向」っていう法則は、
性格との相関が大きく、教育やマーケでも超使える。
STEP2:3理論の“視点の違い”とは?
視点 | TOiTOi | ビッグファイブ(OCEAN) | アイゼンクの4気質 |
---|---|---|---|
概念の軸 | 感情の起点と意思決定 (感性・理性・比較) | 性格特性の強弱 (5つのトレイト) | 気質の型・傾向 (4つのタイプ) |
分類法 | 3タイプ(感性・比較・理性) | 5特性×スコア(連続) | 4タイプ(類型) |
分析スタイル | 動機や価値観にフォーカス | 行動傾向や認知様式 | 感情パターンと反応様式 |
より合うシーン | 人材・コミュニケーション・共感形成 | メンタルヘルス・採用適性・キャリア支援 | 初学者向け性格分類・感情理解・デザイン心理 |
▶︎つまり、それぞれが「性格」や「個性」に対して“違うレイヤー”でアプローチしてる!
※TOiTOi(◀︎PDFのカタログがDLできます)は、Team Organaization Inventory ・組織編成分析の略語で、
組織の適材適所を科学的に分析し、
最適なチームをつくるツールです。
TOiTOiの由来はドイツ語で「幸運のおまじない」を意味するtoitoitoi、
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TOiTOiには類型論である3分類(理性・比較・感性)と、
特性論であるビッグファイブが搭載されています。
STEP3:どう組み合わせると“最強”?
① 色嗜好から入り口をつくる(行動=観察しやすい)
- 青が好き → 寒色 → 黒胆汁質寄り? → 神経症傾向↑? → TOiTOi的には“理性”?
② TOiTOiで「動機」を見る(なぜそう行動するか)
- 理性タイプは「理念」「ルール」「ストーリー」に共感 → 青好きの理由が「誠実さ」なら理性寄りの確証が強まる
③ ビッグファイブで「個人差」をスコアで補強
- 外向性や協調性の数値が高い → TOiTOi比較タイプに近いかも?
- 神経症傾向が高い+ピンク嫌い → 黒胆汁質×理性×低外向スコア
▶︎つまり、観察(色)→ 動機(TOiTOi)→ 精緻な特性(OCEAN)の順で立体的に個性を解釈できる!
STEP4:4つの気質をさらに深掘り!
●多血質(Sanguine)
- 特徴:陽気、おしゃべり、感情の起伏が少ない、飽きやすい
- 得意分野:接客、営業、表現、創作活動
- 色嗜好:赤・ピンク・オレンジ(ポジティブさを引き立てる)
- 注意点:長続きしない、詰めが甘い傾向
- TOiTOiとの相性:感性タイプ(赤)と特にマッチ
●胆汁質(Choleric)
- 特徴:自信家、決断力あり、短気、命令的
- 得意分野:リーダー職、起業家、改革的ポジション
- 色嗜好:赤・黄などエネルギッシュな色
- 注意点:他人への配慮が弱くなる場面も
- TOiTOiとの相性:理性(黄)or感性(赤)どちらにも転びやすい
●黒胆汁質(Melancholic)
- 特徴:完璧主義、分析的、内省的、繊細、不安傾向あり
- 得意分野:研究職、職人、アーティスト、文筆
- 色嗜好:青・紫・水色など寒色系
- 注意点:心配性、他人の評価に敏感
- TOiTOiとの相性:理性(黄)または比較(青)と親和性高い
●粘液質(Phlegmatic)
- 特徴:穏やか、協調的、忍耐力、受け身だけど安定
- 得意分野:福祉、介護、調整役、事務、教育
- 色嗜好:緑・水色・ベージュなど調和色
- 注意点:優柔不断になりやすい
- TOiTOiとの相性:比較タイプ(青)と相性よき
まとめマトリクス(連携イメージ)
気質 | TOiTOi傾向 | 色傾向 | ビッグファイブ特徴例 |
---|---|---|---|
多血質 | 感性 | 赤・ピンク | 外向性↑・開放性↑ |
胆汁質 | 理性 or 感性 | 赤・黄 | 外向性↑・神経症傾向↑ |
黒胆汁質 | 理性 or 比較 | 青・紫 | 外向性↓・神経症傾向↑ |
粘液質 | 比較 | 緑・水色 | 協調性↑・外向性↓ |
この視点をもとに、「色嗜好診断 × TOiTOi × ビッグファイブ」を組み合わせた診断コンテンツ、
めちゃくちゃ可能性があるものができそうですね。
今回は研究の流れと内容の詳細についてみていきました。
類型論の診断は地図を見るようなもので、そこに特性論、
詳細を知るためのルーペを合わせることで、
より立体的に人物像が浮かび上がってきます。
新潟医療福祉大学の研究は、臨床現場に出るということから、
類型論という手段をとっています。
予算的な問題もあったと記されています。
また教育や指導にズレが出るということから、
性格診断を取り入れ、
実用的な性格診断を求めて研究調査したという経緯があります。
実用的な性格診断であれば、TOiTOiは非常に有効なツールです。
Team Organaization Inventory ・組織編成分析の略語で、
組織の適材適所を科学的に分析し、
最適なチームをつくるツールです。
TOiTOiの由来はドイツ語で「幸運のおまじない」を意味するtoitoitoi、
相性を可視化し、働きやすい環境を実現するHRテックツールです。
TOiTOiには類型論である3分類(理性・比較・感性)と、
特性論であるビッグファイブが搭載されています。
今回ここで組み合わせた事例、
3分類(理性・比較・感性)と4つの気質の組み合わせは、
データ上の傾向から導き出されたものです。
3分類と今回の研究調査との組み合わせは、
実際に私たちが行なっている60問の分析から出力されたものではありません。
もっとデータを集めてみないとはっきりしたことはわからないということです。
研究調査の内容から、大学では今回の研究調査を利用されていないようなので、
次回はこの研究結果をどのように活かすのかについて、
お話を進めていきます。
最後までご覧いただきありがとうございます。
参考資料
大石如香・石本豪(2020). 『医療福祉を学ぶ大学生の色彩嗜好と性格特性の関連』, 2025年3月20日アクセス. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsaj/43/3+/43_169/_pdf
大学生の色彩嗜好と性格診断3へつづく