ここでは、FP (ファイナンシャルプランナー)の
私の目からみた今回の適用について考えてみました。
全体という観点からではなく、個の立場で見た観点となります。
実際には扶養されているパートさんへ向けたものになるかと。
103万と106万円の壁に縛られるよりは、
自分で収入を上げることを考えたほうが、
将来的には有利なのだと。
日本の文化的、教育的観点からものを見るクセがつている私たちは、
なかなか長期的展望に立ち、ものを見ない、
見れない環境にいます。
正論が人を動かすのではないことは、
十分承知した上でお伝えいたします。
ご自身のライフプランの参考になれば幸いです。
扶養よりも自分の収入を上げたほうがいい
扶養されているパートさんが
103万円や106万円の壁に縛られるのではなく、
自分で収入を上げることを考える方が、
長期的には有利だと言えます。
社会保険に加入し、
自分で年金や医療保険を確保することで、
将来的な保障が充実するため、
結果として老後の生活や
健康リスクに対する備えが増えるからです。
しかし、多くのパートタイム労働者が長期的な視点で
収入を増やすことよりも、
現時点での税金や社会保険料の負担回避を
優先する傾向が強いのには、
いくつかの理由があります。
1. 短期的な家計の優先:
- 多くのパートタイム労働者は、
家庭内の収入補助として働いていることが多く、
家庭全体の収支を短期的に安定させるため、
壁を超えないように労働時間や収入を調整しています。 - そのため、
現時点での税金や保険料負担を
避けることが優先される傾向があります。 - 長期的な展望よりも、
現時点での生活の安定を重視する結果、 - **「103万円以内で働くほうが得」**という意識が根付いていることがあります。
2. 長期的な保障の理解不足:
- 社会保険に加入することで、
年金や医療保険などの保障が手厚くなることが、
理解されていない場合があります。 - 厚生年金に加入することで、
将来的に受け取る年金額が増えることや、
健康保険による医療費の保障が手厚くなる点などは、
長期的には大きなメリットですが、
それが十分に認識されていないケースも少なくありません。
3. 収入の限界を感じている:
- 多くのパートタイム労働者は、
自分の働き方やスキルセットに限界を感じているため、
収入を大幅に増やすことが難しいと考え、
壁を超えた働き方にあまり関心を持たないことがあります。 - 特に扶養の範囲内で働いている方々は、
長時間働くことへの抵抗感や、
仕事と家庭のバランスを取るために
あえて収入を制限している場合もあります。
4. 社会の風潮や慣習:
- 特に日本では、
長い間「扶養内で働く」という概念が一般的であり、
その風潮が根付いています。 - このため、パートタイム労働者にとって、
103万円や106万円の壁を気にすることが「普通」とされ、
長期的な視点での収入増加やキャリアアップを
意識する文化があまり強くありません。
5. 税制や社会保険制度の仕組みの影響:
- 現行の制度では、
103万円や106万円を超えた場合に
税金や社会保険料の負担が急激に
増える仕組みがあるため、
一時的に負担増加の影響が大きいと感じる労働者が多いです。 - このため、長期的に有利な収入増加よりも、
短期的な負担回避が重視されがちです。
長期的な展望を持つことの利点
長期的な展望を持つことで、
以下のようなメリットが考えられます。
厚生年金の充実:
103万円や106万円の壁を気にせず働き、
社会保険に加入することで、
老後の年金額が増え、
将来的な生活の安定が期待できます。
医療保障の拡大:
健康保険に加入することで、
医療費の負担軽減や傷病手当金など、
働けなくなった際の保障が得られるため、
家計の安定につながります。
キャリアアップの機会:
壁に縛られずに働くことで、
より多くのスキルや経験を積むチャンスが増え、
将来的に正社員や管理職などのキャリアパスに進む可能性が広がります。
まとめ
長期的には、
103万円や106万円の壁に縛られるよりも、
収入を上げて社会保険に加入し、
将来的な保障を得る方が有利です。
しかし、現実的には短期的な生活や
家計の安定を優先する労働者が多いため、
長期的な視点を持つことが
難しいケースが少なくありません。
企業や社会全体が、
こうした長期的な視点を促進する教育や
支援を強化していくことが重要です。
どうなる社会保険適用拡大4へ続く