
前回は、変化の激しい時代において、
新しいリーダーシップスタイルとマネジメント手法を採用する必要性についてお話を進めました。
ここではこれからの主役となるZ世代のマネジメントについてお話を進めていきます。
TOiTOiを活用したZ世代とのマネジメントと1on1の効果
Z世代とのコミュニケーションでは、
単なる命令や指示ではなく、「意味のある仕事」「フレキシブルな働き方」「データに基づいた説明」が重要視されます。
このため、TOiTOiのロジック・ブレイン3分類(LB3)を活用すると、
Z世代の特性に合った個別のマネジメントや1on1が可能になり、
エンゲージメントを高めることができます。
ここでは、TOiTOiを活用した場合と活用しない場合の違い、
Z世代に適したマネジメント手法、1on1での活用方法について詳しく解説します。
若害が起こる背景
- 価値観の違い:Z世代・ミレニアル世代と、それ以上の世代(X世代・団塊世代)との価値観のギャップがある。
- SNSやインターネットの影響:ネットの情報を鵜呑みにし、実社会での経験と結びつけずに発言・行動する。
- 終身雇用の崩壊:長期的なキャリアを考えず、短期間で転職することを前提に行動する。
- 組織の在り方の変化:従来のトップダウン型の組織と、フラットな組織の考え方の違い。
若害の対策
- 対話を増やし、価値観のすり合わせをする
- 上司や先輩が頭ごなしに否定するのではなく、若手の意見を聞きつつ、経験に基づいたフィードバックを行う。
- 実践的な教育や育成を強化する
- OJTを充実させ、実際の仕事の中で学ぶ機会を増やす。
- メンター制度などを導入し、先輩社員と交流を深める。
- 責任を持たせることで成長を促す
- 若手に一定の責任を持たせ、成功・失敗の経験を積ませる。
- 失敗を過度に責めるのではなく、学びの機会とする。
- 柔軟な働き方の提供
- 若手が活躍できる環境を整備し、心理的安全性を確保する。
- 一方で、組織のルールやマナーは適切に伝える。
1. Z世代の特徴とマネジメントにおける課題
Z世代の主な価値観
☑️ 「意味のある仕事」が最優先(会社の成長よりも社会的意義を重視)
☑️ 「個人の成長やスキルアップ」に価値を感じる(組織の成功よりも自己実現)
☑️ 「フレキシブルな働き方」を求める(時間や場所の制約があるとストレス)
☑️ 「データに基づいた説明」を好む(直感や経験則では納得しにくい)
◉ 課題 Z世代の価値観に合わせたマネジメントができないと、以下のような問題が発生します。
- トップダウン型の指示を嫌い、納得感がないと動かない
- 曖昧な評価やフィードバックでは、モチベーションが低下
- 画一的な働き方では、生産性が下がる
- 成長やスキルアップの機会がないと、すぐに転職を考える
◉ ここでTOiTOiを活用すると、Z世代の個々の特性に応じたアプローチが可能になり、より良いコミュニケーションが取れる。
2. TOiTOiを活用した場合と活用しない場合の違い
要素 | TOiTOiを活用した場合(巻き込みやすい) | 活用しない場合(離職やモチベーション低下) |
---|---|---|
仕事の意味づけ | 理性(黄):「この仕事が社会にどんな影響を与えるか」を明確に説明 比較(青):「どんな成果につながるのか」をデータで示す 感性(赤):「将来どんなワクワクする未来が待っているか」を伝える | 「会社の成長のため」と抽象的な指示を出すだけで、Z世代が納得せず不満を感じる |
働き方の柔軟性 | 比較(青):業務効率をデータで測定し、フレキシブルな勤務時間を提案 感性(赤):自由な発想が活かせる裁量労働制を導入 | 「9時から5時の固定勤務」など、従来型の働き方を強制し、不満が溜まる |
評価・フィードバック | 理性(黄):プロセスや貢献度を評価する仕組みを導入 比較(青):KPIに基づいた明確な評価を行う 感性(赤):感謝や称賛を重視したフィードバックをする | 「結果がすべて」という評価基準で、一部のZ世代が納得感を持てない |
成長機会の提供 | 比較(青):キャリアパスをデータで可視化し、目標設定を明確にする 感性(赤):クリエイティブなプロジェクトに参加させる | 「今の仕事を頑張れ」としか言われず、成長機会が見えずモチベーションが下がる |
◉TOiTOiを活用することで、「一律のマネジメント」ではなく、個々に合ったアプローチが可能になる。
3. Z世代との1on1でTOiTOiを活用する方法
1on1の目的
- 上司が部下の思考タイプ(TOiTOi)に合わせたフィードバックやサポートを行う
- 仕事の目的や意義を明確に伝え、納得感を高める
- Z世代が求める「成長機会」「ワークライフバランス」を適切に提供する
TOiTOiを活用した1on1のポイント
TOiTOiタイプ | 効果的な1on1のアプローチ |
---|---|
理性(黄)タイプ | ◉ 「仕事の社会的意義」を丁寧に説明する ◉ フィードバックは「なぜ重要か」を明確にする ◉ 目標設定は「みんなにとって良い影響があるか」を考えるよう促す |
比較(青)タイプ | ◉ 「データや事例」をもとに説明する(感覚では納得しない) ◉ フィードバックは「改善点」と「期待される成果」を数値化する ◉ キャリアパスを明確にし、具体的なゴールを設定 |
感性(赤)タイプ | ◉ 「ワクワクする未来像」を伝え、モチベーションを高める ◉ 「楽しさ」「挑戦できる環境」があることを強調する ◉ フィードバックはポジティブな表現を多めにし、感謝を伝える |
◉ TOiTOiを意識すると、個々のタイプに合った1on1が可能になり、Z世代の満足度や成長スピードが向上する。
4. 期待できる成果
◾️ Z世代が仕事に対する納得感を持ち、エンゲージメントが向上
◾️ マネージャーが個々の価値観に合わせたコミュニケーションができるようになる
◾️ 1on1の質が向上し、離職率が低下する
◾️ Z世代の強みを活かした業務アサインが可能になり、生産性向上
◉ 特に1on1では、TOiTOiを活用することで「伝え方」を工夫でき、個々のモチベーションを最大化できる。
5. 期待できない結果(TOiTOiを活用しない場合)
❌ 「会社のために頑張れ」と言っても響かない → 仕事への意欲が低下
❌ 「数字を見ろ」と言われても、感性タイプのZ世代は共感しない
❌ 「みんなと同じようにやれ」と言うと、比較タイプのZ世代は納得しない
❌ 1on1が上司の一方的な説教になり、心理的安全性が低下
◉ TOiTOiを活用しないと、個々の特性に合わない伝え方になり、モチベーション低下や早期離職につながる。
6. まとめ
▶︎ TOiTOiを活用すると、Z世代に合わせたマネジメントが可能になり、エンゲージメントが向上
▶︎ 特に1on1では、個々の思考タイプに適したフィードバックやアプローチが有効
▶︎ TOiTOiを活用しないと、Z世代の価値観に合わず、モチベーション低下や離職リスクが高まる
◉ Z世代とのコミュニケーションには、TOiTOiの活用が効果的であり、1on1の質を向上させる重要なツールとなる!
Z世代がわからないという声をよく耳にします。
最近「若害」、こんな言葉も耳にしました。
調べると、若害(じゃくがい)とは、
まわりの大人から困惑・反感を招く言動が目立つ若者たちを指す言葉です。
周囲に迷惑をかける高齢者を意味する「老害」の対義語として、注目を集めています。
社会的な「害悪」といったニュアンスを込めて呼ぶ表現であり、
最近テレビなどメディアでも耳にする機会が増えてきました。
とあります。
果たして本当にわからない世代なのでしょうか。
向き合っていないだけなのではないでしょうか。
まるで対岸にいる相手はよそ者だから、
話し合っても無駄だと言っているようにも聞こえます。
まず対話から始まるのではないでしょうか。
本当に好きな恋人ならば、どうしますか。
その人のことを知りたいと思い、知ろうとするのではないでしょうか。
相手を知ることがまずは大事です。
兵法において、孫氏が「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」残しています。
この言葉からも自己理解をしてから、相手理解することで、
より良い人間関係が築けるのだと私は確信しています。
最後までご覧いただきありがとうございます。
参考資料
マッキンゼー・アンド・カンパニー(2024). 『Healthy Organizations Keep Winning, But the Rules Are Changing Fast』, 2025年2月21日アクセス. https://www.mckinsey.com/capabilities/people-and-organizational-performance/our-insights/healthy-organizations-keep-winning-but-the-rules-are-changing-fast
健康的な組織は勝ち続けるが、ルールは急速に変化している10へつづく