
給与明細の見方って、知っているようで知らない方が多いのでは。
自分がもらえるお金の見方を知っておけば、ライフプランなども考えやすくもなります。
今回は給与明細の見方の基本についてお話を進めていきます。
給与明細って

給与明細の見方の流れ
給与明細は以下の3ステップで構成されています:
① 勤怠(働いた時間の記録)
- 出勤日数、有給休暇、残業時間、遅刻や早退など
- ▶︎ このデータが「残業手当」や「欠勤控除」に影響
② 支給(給与としてもらえるお金)
- 基本給、各種手当(残業・通勤・住宅など)
- ▶︎ これらの合計が「総支給額」
③ 控除(差し引かれるお金)と実際の手取り
- 健康保険料、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税など
- ▶︎ 差し引かれた後の「差引控除額=手取り」が実際にもらえる金額
今回の給与明細の例では279,656円が実際に受け取る金額です。
イメージ図:
[勤怠情報] ─→ [支給額(総支給)] ─→ [控除額] ─→ [差引支給額(手取り)]
↑ ↑ ↓
残業・有休等 各種手当 保険料・税金
額面から何が引かれているかを確認することが大切です。
初めて給与明細を見る場合、額面=総支給額をみてぬか喜びなんてことが多いです。
実際には手元に入る金額は、今回の明細書の差引控除額が手取りとなります。
『手取り』と『額面』は違うものだと理解しましょう。
控除について
健康保険、厚生年金保険、厚生年金基金(現在は廃止)、介護保険、雇用保険は、
社会保険料にあたります。
所得税、住民税は税金にあたりますが、住民税は1年目は引かれません。
【補足】令和6年からの「定額減税」について
2024年(令和6年)6月以降、政府による定額減税が実施されています。
これは、給与から天引きされる所得税の一部が自動的に減額される制度です。
- 給与明細には、「定額減税」または「所得税控除」などの項目で表示される場合があります。
- 月額:2,500円(年3万円)が上限。※明細書を参照。
- 所得税が少なくて減税しきれない場合は、翌月以降や年末調整で繰り越し処理されます。
住民税の定額減税について 住民税にも1人あたり年1万円の定額減税が実施されます(2024年6月以降)。
- 住民税の減税は、月々の住民税額から約833円ずつ差し引かれる形で適用されます。
- 住民税がまだ発生していない新入社員には適用されませんが、
2年目以降に適用されるようになります。
年末調整との関係
- 年内で定額減税を使い切れなかった場合は、年末調整で残りの金額を一括調整して控除されます。
- 年末調整で「適用済の金額」と「本来受け取るべき減税額」を精算するため、
12月の手取りが増えるケースもあります。
ポイント
定額減税も「控除」の一種であり、税金の負担が一時的に軽くなる仕組みです。
その分、手取り額(合計欄)は増加します。
会社からもらえるお金とは
基本給とは?
会社から支払われる毎月の“ベースとなる給料”のこと。
働く時間や役割に対して支払われる「固定給」であり、給与の計算の土台になります。
なぜ「基本」なの?
- 残業代やボーナスなどの割増・追加支給の基準になるからです。
- 人事評価や昇給、退職金なども、基本給をもとに算定されるケースが多いです。
基本給の特徴
項目 | 説明 |
---|---|
毎月一定 | 原則として出勤日数に関わらず固定で支給される金額(ただし日割りになる場合もあり) |
雇用契約に明記 | 就業規則・雇用契約書に「基本給◯円」と記載されていることが多い |
各種計算の元になる | 残業手当・深夜手当・退職金などの計算基準になる |
手当とは?
基本給とは別に、特定の条件や事情に応じて支払われる追加の給与です。
手当の2種類
種類 | 説明 |
---|---|
① 定額手当(固定手当) | 毎月「固定額」で支払われる手当。支給条件を満たしていれば、働いた時間や成果にかかわらず支給される。 |
② 変動手当(出来高手当) | 勤務状況や成果に応じて変動する金額が支給される。 |
定額手当(固定手当)の主な例
手当名 | 内容例 |
---|---|
通勤手当 | 通勤にかかる交通費の補助。非課税枠あり。 |
住宅手当 | 家賃の補助。独身寮や転勤者向けなども。 |
家族手当 | 扶養家族がいる場合に支給される。 |
役職手当 | 役職(係長・課長など)に応じて支給。 |
資格手当 | 特定の資格を持っている場合の補助。 |
▶ 働き方にかかわらず、条件を満たしていれば一定額が毎月支給されます。
変動手当(出来高手当)の主な例
手当名 | 内容例 |
---|---|
残業手当 | 所定時間を超えて働いた分に対して支給(法定割増あり) |
深夜手当 | 22時~翌5時に働いた場合の割増手当 |
休日出勤手当 | 法定休日に勤務した場合の特別手当 |
成果手当 | 売上や評価に応じて変動するインセンティブなど |
▶ 働いた時間・成果に応じて毎月金額が変わります。
◆ 注意ポイント
- 残業手当などは労働基準法で支給義務があります(未払いは違法)
- 手当の内容や支給条件は会社の就業規則に明記されていることが多いです
- 一部手当(住宅・通勤など)は、非課税対象として税金の計算から除外されることもあります
◉ まとめ
分類 | 例 | 特徴 |
---|---|---|
固定手当 | 通勤手当・住宅手当・家族手当 | 条件を満たせば毎月同額支給 |
変動手当 | 残業手当・深夜手当・成果手当 | 働き方・成果に応じて毎月変動 |
今回は新社会人向けの給与明細の見方についてお話を進めました。
見方を理解していただけたのではないでしょうか。
給与明細の見方を知っておくことは、もらえるお金を知ることで、どれだけ使えるのかがわかる。
あなたのライフプランを考えやすくなります。
どれくらい貯金しようか、将来のためにどれだけ投資しよう、なんに使おう、
将来へのあなたへのギフトにも繋がってきます。
お金のことは知っていると知らないとでは、見える景色が全く違ってきます。
給与明細の見方を知ることで、あなたの未来への地図が希望であふれるものになれば幸いです。