笑いヨガとビッグファイブ6

前回は笑いヨガの実践に関する指標と、
心理状態尺度およびBig Five尺度の得点との相関関係についてお話を進めました。

ここでは笑いヨガとビッグファイブの結果から、
仕事の役割分担、最適な適材適所について考えて行きます。

ビッグファイブ×笑いヨガ「適材適所」の考え方

組織の役割分担において、社員の性格特性を理解し、
それぞれの強みを活かした適材適所を実現することは、
パフォーマンスの向上とチームの円滑な運営に大きく貢献します。

本研究の結果を基に、
ビッグファイブの各特性に応じた「最適な仕事の役割」と「巻き込み方」を考えてみます。


1. 適材適所のマッチング

(1)神経症傾向(Neuroticism)

ストレスを感じやすく、不安になりやすい人

  • 向いている役割
    • マニュアル化された業務(手順が決まっている仕事)
    • 1人で集中できる作業(データ分析、バックオフィス業務)
    • 心理的安全性の高い環境での業務(サポート役、補助的な仕事)
  • 巻き込み方
    • 安心感を与える(失敗してもOKという雰囲気)
    • タスクを細分化し、段階的に成功体験を積ませる
    • 1対1のフォローやメンター制度を活用

(2)外向性(Extraversion)

社交的でエネルギッシュな人

  • 向いている役割
    • 営業・広報・社内イベントの企画運営
    • リーダー・チームマネジメント
    • プレゼン・ファシリテーター
    • 人と接する業務全般(顧客対応、カスタマーサポート)
  • 巻き込み方
    • 目立つ役割を与える(リーダー・イベント企画など)
    • チームで協力する環境を作る
    • 成功体験をみんなと共有させる

(3)開放性(Openness)

新しいことを好み、創造的なアイデアを出せる人

  • 向いている役割
    • 新規事業の立ち上げ
    • イノベーションを必要とする仕事
    • クリエイティブな業務(デザイン・コンテンツ制作)
    • 研究・開発職
  • 巻き込み方
    • 自由度の高い仕事を与える
    • 新しい挑戦を促す(プロジェクト単位でのアサインなど)
    • 変化のある環境を用意する(ルーティンワークを避ける)

(4)調和性(Agreeableness)

協調性が高く、チームワークを大切にする人

  • 向いている役割
    • チーム運営(リーダー補佐・ファシリテーター)
    • カスタマーサポート
    • 社内教育・人材育成
    • 社内調整(バックオフィス、総務、人事)
  • 巻き込み方
    • 「助けを必要としている人がいる」ことを伝える
    • チームで協力する仕組みを作る
    • 「あなたのサポートが大事!」と役割を明確にする

(5)誠実性(Conscientiousness)

計画的で、コツコツと物事を進めるのが得意な人

  • 向いている役割
    • 経理・財務・法務などの正確性が求められる業務
    • プロジェクトマネージャー(スケジュール管理)
    • 品質管理・監査・チェック業務
    • ルールを遵守する必要がある業務(コンプライアンス関連)
  • 巻き込み方
    • 「ミスを防ぐ重要な役割」を強調する
    • タスクの達成感を味わえる仕組みを作る
    • 長期的な目標を提示し、計画的に進められるようにする

2. 適材適所を組織でどう活用するか

① リーダーは、チームメンバーの性格を理解し、適した役割を与える

  • 外向性が高い人に営業を任せる
  • 開放性が高い人には新規プロジェクトを担当させる
  • 誠実性が高い人には品質管理や計画の仕事を
  • 調和性が高い人にはチームビルディングをサポートさせる
  • 神経症傾向が高い人には、個人で完結できる業務を

② 性格特性に合ったモチベーション戦略をとる

  • 外向的な人は「みんなの前で評価される」ことがモチベーションに
  • 誠実性が高い人は「計画通りに進める」ことでモチベーションが上がる
  • 調和性が高い人は「誰かのためになる」とやる気を出す
  • 開放性が高い人は「新しい挑戦がある」とモチベーションが上がる
  • 神経症傾向が高い人は「安心できる環境」が重要

③ 組織のバランスを考える

  • 全員が外向的な組織は、意見がぶつかりやすい
  • 全員が内向的な組織は、新しい動きが生まれにくい
  • バランスよく配置し、お互いの特性を活かせるようにすることが重要

3. まとめ

  • ビッグファイブを活用すると、最適な役割分担ができる
  • 性格に応じた「巻き込み方」を工夫することで、社員のやる気を引き出せる
  • 組織全体のバランスを考え、強みを活かせるチーム作りが重要

▶︎性格特性を理解し、適材適所を意識した組織作りをすることで、
効率的で満足度の高い働き方が実現できる!


製造業・建築業「適材適所 × ビッグファイブ」

製造業や建築業では、計画性・協調性・柔軟性・ストレス耐性が求められる場面が多く、職種ごとに求められる性格特性が異なるため、ビッグファイブの特性を活かした適材適所を考えることで、業務効率や安全性の向上が期待できます。


1. 製造業・建築業の役割ごとの適性

(1)管理職・プロジェクトマネージャー

計画立案・進捗管理・安全管理を担うリーダー層

  • 求められる特性
    • 誠実性(Conscientiousness):計画性、スケジュール管理
    • 調和性(Agreeableness):チームをまとめる協調性
    • 外向性(Extraversion)(一定程度):現場での指示出し、交渉力
  • 適した役割
    • 工場長・製造ラインの監督
    • 現場監督・建築プロジェクトマネージャー
    • 安全管理者・品質管理責任者
  • 巻き込み方
    • 「あなたの管理が現場の安全と効率を左右する」と責任感を刺激
    • 数値目標・KPIを設定し、計画的に進められる環境を作る
    • チームのまとめ役を担わせることで、協調性を活かす

(2)現場作業員・技術者

製造ラインや建築現場で、実際の作業を担当するスタッフ

  • 求められる特性
    • 誠実性(Conscientiousness):決められた作業を正確にこなせる
    • 神経症傾向(Neuroticism)が低い:ストレス耐性があり、冷静に作業できる
    • 調和性(Agreeableness)(一定程度):チームワークを大切にできる
  • 適した役割
    • 工場の生産オペレーター
    • 建築現場の職人(大工・鉄筋工・電気工事士など)
    • 組立・加工・溶接などの技術職
  • 巻き込み方
    • 「あなたの正確な作業が品質を支えている」と重要性を強調
    • 個人の作業とチームワークの両方をバランスよく配分
    • 安全面のルールを徹底し、安心して作業できる環境を提供

(3)設計・エンジニア(製品設計・建築設計・設備設計)

新しい製品・建築物・設備の設計を担う技術職

  • 求められる特性
    • 開放性(Openness):創造的な発想、新技術への興味
    • 誠実性(Conscientiousness):設計の正確性
    • 外向性(Extraversion)(低めでもOK):集中力が求められる仕事のため
  • 適した役割
    • 製品開発エンジニア(機械・電気・ソフトウェア)
    • 建築設計士・構造設計エンジニア
    • 設備設計・CADオペレーター
  • 巻き込み方
    • **「あなたのアイデアが未来の製品・建築をつくる」**と挑戦心を刺激
    • 最新技術・新しい設計手法の導入を積極的に行う
    • 創造的なアイデアを出せる場(ブレインストーミングなど)を用意

(4)品質管理・安全管理

生産工程や建築現場の品質・安全をチェックし、事故を防ぐ役割

  • 求められる特性
    • 誠実性(Conscientiousness):細かい点までチェックできる
    • 神経症傾向(Neuroticism)が低い:プレッシャーに強い
    • 外向性(Extraversion)(低めでもOK):落ち着いて業務に取り組める
  • 適した役割
    • 品質保証(QC)
    • 安全管理者・労働衛生管理者
    • 検査員・メンテナンス担当
  • 巻き込み方
    • 「あなたのチェックが現場の安全を守る」と責任感を与える
    • ルールの重要性を伝え、計画的に取り組める環境を作る
    • ミスを防ぐ仕組みを作り、負担を軽減する

(5)営業・マーケティング

製造業や建築業において、顧客と接し、案件を獲得する役割

  • 求められる特性
    • 外向性(Extraversion):社交的で人との関係を築きやすい
    • 開放性(Openness)(一定程度):新しい提案を考えられる
    • 調和性(Agreeableness)(BtoB営業なら高めが望ましい)
  • 適した役割
    • 法人営業(BtoBセールス)
    • マーケティング(市場調査・販促企画)
    • カスタマーサポート・アフターサービス
  • 巻き込み方
    • 「あなたの営業力が会社の売上を支える」と影響力をアピール
    • 顧客との信頼関係を築くことを重視
    • 成果を評価し、成功体験を増やす

独断で業種をピックアップして適材適所について見て行きます。


製造業・建築業における適材適所のまとめ

役割必要な性格特性向いている人
管理職・プロジェクトマネージャー誠実性・調和性・外向性(中程度)計画的・リーダーシップがある人
現場作業員・技術者誠実性・神経症傾向が低い・調和性(中程度)正確な作業が得意な人
設計・エンジニア開放性・誠実性・外向性(低めでもOK)創造的なアイデアを出せる人
品質管理・安全管理誠実性・神経症傾向が低い・外向性(低めでもOK)ミスなく正確にチェックできる人
営業・マーケティング外向性・開放性・調和性(BtoBなら高め)人と話すのが得意で、新しいアイデアを考えられる人

3. 組織への導入方法

採用時にビッグファイブの特性を考慮(適性検査を活用)
性格特性に応じた教育・指導方法を調整
チーム編成時にバランスを考える(管理職・作業員・営業の特性を最適化)
個々の特性に応じたモチベーションの与え方を工夫


▶︎ 製造業・建築業における適材適所を実現することで、
業務の効率化・安全性の向上・離職率の低下が期待できます!

今回は製造業、建築業において、ビッグファイブ分析の結果と適材適所についてお話を進めました。
職種において適正というものがあります。

ビッグファイブ分析で性格の傾向がわかっていれば、
パフォーマンスを最大限に発揮する場面がわかります。
仕事を舞台に例えると、その舞台で自分が主役になれる場面がわかっているのであれば、
主役になれることで、その人のモチベーションも上がってきます。

多くの方は自分がどんな仕事に向いているのか悩みます。
人によっては担当している仕事が向いていて、その仕事を長く続けられる。
しかし、そうでない人は辞めてしまうということが往往にしてあります。

自分に合った仕事をする方が楽しくないですか。
私は、楽しくなければ仕事って続かないと思っています。
楽しくない仕事に情熱を注げられますか。

私はできないないです。

ビッグファイブ分析を利用して、人財を適材適所に配置することで、
企業にとっても、人財にとっても、Win-Winの関係になれるのではないでしょうか。

あなたは自分が主役になれる仕事をしていますか。
あなたの会社の人財に最高の舞台を用意してあげられていますか。

最後までご覧いただきありがとうございます。

参考資料

高田 明(2023). 『対面での笑いヨガの実践による心理状態の変化および性格特性との関連』, 2025年2月15日アクセス.https://www.jstage.jst.go.jp/article/warai/30/0/30_19/_article/-char/ja

笑いヨガとビッグファイブ7へつづく